秘密保持契約(NDA)を秘密情報のやり取りが発生する以前に締結することで、最終的に商談や取引が成立しなかった場合でも、情報の開示側としては、受領側に一方的に自社の秘密情報を利用されてしまうというリスクを軽減することができます。
以下にその概要をまとめました、ご参考になれば、何よりです。
■秘密保持契約のメリット
①秘密情報の流出防止
②情報漏えい時に損害賠償請求ができる
③保護する営業秘密の範囲を指定できる
■秘密保持契約の目的
①秘密情報の無断開示が原則として禁止
②秘密情報の目的外利用の禁止
③取引等が終了した際の秘密情報の返還
■不正競争防止法の「営業秘密」
①秘密管理性(情報保有者の社内で秘密として管理されている情報であること)
秘密情報の範囲を不正競争防止法上の「営業秘密」の範囲より広げることが可能
②有用性(製造技術上のノウハウ、顧客リスト、販売マニュアル等の有用な技術上・営業上の情報であること)
③非公知性(公然と知られていない情報であること)
■秘密保持契約の条項
・秘密情報の定義・除外事由
☑ 開示者が開示する情報
☑ 秘密保持契約の存在および内容、ならびに取引に関する協議・交渉の存在および内容
・秘密保持義務
秘密情報について、管理する義務とその方法を定めるとともに、誰にまで開示してよいのか。
秘密情報の受領者は、基本的には「第三者」には秘密情報を開示することができないが、関連会社、
委託先、弁護士などのアドバイザー等、例外的に開示できる第三者について定めることが一般的。
・目的外使用の禁止
・秘密情報の返還・破棄
・損害賠償・差止め
・有効期限・存続条項
【ポイント】
■開示側
・秘密情報を承諾なく開示できる場合が限定されているか
・目的外使用の禁止、秘密情報の返還時の受領側の義務が明確か
・存続条項の対象および期間は、秘密情報の流出等を防ぐために十分か
・損害賠償の範囲が、民法の規定に比べ、限定され過ぎていないか
■受領側
・秘密情報の範囲が適切か
・自社や関連会社の役員、従業員に対し、実務上開示が必要な場合、相手方の承諾なく
開示できるようになっているか
・存続条項の対象および期間が十分限定されているか
・損害賠償の範囲が、民法の規定に比べて広範でないか
【備考】
■秘密保持契約の収入印紙:収入印紙は不要
■秘密保持契約と関連する法律:不正競争防止法
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